骨盤と大腿骨をつないでいる臼関節と呼ばれる部位です。関節には軟骨が介在しております。
軟骨がたもたれていれば足を開いたり曲げたりしても痛みを感じません。
しかし軟骨は年齢とともに擦り減ってきます。それによって歩行時に痛みが出てくるわけです。
骨と骨とが直接当たります。自分のこぶしとこぶしをぶつけて歩いているような感じですから 痛みのため日常生活が非常に困難になる事があります。
お薬やリハビリでは明らかに軟骨が増えることは実証されておりません。
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| 正常股関節 | 軟骨が擦り減り骨棘を形成している股関節 |
軟骨がすりへってきて股関節の痛みを伴ってくれば変形性股関節症という診断名になります。
前期→初期→進行期→末期股関節症になります。レントゲンでの股関節のすき間の程度によって病期を わけます。
前期は運動時に軽い痛みを伴う程度ですが、すき間がさらに減って進行期、末期股関節症になれば 股関節が開きにくく、
歩くときに股関節周囲の痛みなどが出現します。
足腰が元気な丈夫な状態を維持するためには
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| 前期 | 初期 | 進行期 | 末期 |
赤ちゃんの頃に股関節脱臼を整復してもらっても中には遺残変形を残す場合があります。
臼蓋形成不全症という受け皿の関節面が狭くなる事があります。
一次性股関節症は股関節の形は正常ですが軟骨が擦り減ってきた状態です。
日本では二次性股関節症が多く、原因はこのような受け皿の関節面が狭い事によります。
人工股関節の成績が安定していなかった時代には骨切り術が主流でありました。
大腿骨内反骨切り術、大腿骨外反骨切り術、棚形成術、キアリ骨盤骨切り術、寛骨臼回転骨切り術などがあります。
骨切り術の長所は自骨が温存できるということであります。しかし短所としては長期の安静およびリハビリが必要になると いう点であります。
当院では寛骨臼回転骨切り術で受け皿を広くする治療を行っております。
臼蓋形成不全が残っている状態で生活を続ければ末期股関節症に進行していく可能性が高いわけですから、
形をよくすることにより 痛みを取り除き、股関節症の進行を防ぐ努力が肝要と思います。
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| 17 歳 女性 右股関節 術前 | 右股関節 術後 |
4.保存療法 手術までにはまだ早く、痛みを軽くするためには
| ストレッチ | 水中歩行 | 外転筋力強化 |
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| 股関節を柔らかくする | 筋力強化 |
現在のような人工股関節はご存じのとおり 1960 年代チャンレイ-によりその原型がつくられました。
形はその当時と大きく変わっておりません。
しかし生体工学の進歩にともない非常に骨への親和性の高い 人工股関節材料が開発されてきました。
今ではセメントを使用しなくても材質の改良、表面形状の改善に伴い翌日から歩行を開始しても同等の安定性、および安全性が得られるようになりました。

もう一つ大きな画期的な進歩は摺動面と呼ばれるボールとソケットの材質の改良であります。
長年使うと軟骨が擦り減っていくのと同様にポリエチレンと呼ばれるソッケト側の部品が擦り減ってきます。
これに関してはさまざまな工夫が現在も行われております。
ガンマ線照射を行い材質の特性を変えることにより、擦り減りにくくした耐摩耗性にすぐれた高度架橋型ポリエチレンは以前に製造されていた 通常のポリエチレンと比べて擦り減る量を10分の1に減らすことが可能になりました。
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若い年齢で人工股関節の手術を受けていただく場合はセラミックと呼ばれる陶器を使います。
人工股関節を正確に設置すれば擦り減りに関しては一番優れていることに関しては間違いありません。
活動性、長期に使っていただく点などを十分考慮したうえで正しい組み合わせを選んで対応いたします。
最近 MIS( 最小侵襲手術 ) という手術法が話題になっております。短い傷で手術を行えば早期リハビリ、社会復帰が可能になるという 事であります。
しかしこれはいつも本当なのかと思います。股関節の外科治療は少し違います。
当然必要最小の傷は意識するべきですが ちいさい傷で正確に人工股関節を設置することは相反するものです。
大前提は人工股関節を正確に設置するための傷の長さを 意識するべきだと思います。
本当の意味での股関節における最小侵襲手術は如何に股関節周囲筋を切らないかという事です。
一般的に行われている後方進入法は短外旋筋群というお尻の筋肉を切って設置後に縫合することがよくおこなわれています。
私共は可能な限り短外旋筋群を切らずに前外側進入を主に行っております。 中殿筋と大腿筋膜腸筋の間からのれんをわけて入るように進入します。
この方法で行えば筋肉を切らずに人工股関節を設置することが可能になります。
手術後生理的な股関節の動きのために必要以上に股関節周囲筋を切ることは私共としては少し受け入れにくいところがあります。
安定した後ろの筋肉を残すことにより後方脱臼の防波堤になることはもちろん(当院の脱臼率は1%未満です。 特に手術後動作制限はありません)、手術後早期から手術前と同じような足の運びが可能になるのではと考えて行っております。
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| 筋肉を切らずに割って進入する前外側アプローチ |
以下手術手順
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| 1)大転子を確認して皮膚を切る | 2)筋肉を触って進入経路を確認 | 3)筋肉を切らず上下によけて股関節に到達 |
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| 4)関節包を開き大腿骨頭を展開 | 5)大腿骨頭を切除後 臼蓋を展開 | 6)臼蓋を掘削 |
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| 7)ソケットを挿入 | 8)大腿骨を伸展 外旋位にする | 9)大腿骨近位を持ち上げる |
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| 10)ステムを挿入する | 11)整復する | 12)筋膜縫合を行って終了 |
患者様の股関節の状態によりますが以上の手技を1時間少々の時間で終わらせるよう努めております。
手術の時間が長くなれば出血量も増えますし、最近話題の深部静脈血栓症の危険性が高くなります。
可能な限り患者様の身体にかかる負担を減らせるよう、手術を迅速に終わらせる治療を行っております。